建設業許可とは
建設業法では、建設業を始めるには、以下に捧げる「軽微な工事」(※)を行う場合を除き、建設業の許可が必要なことが定められています。
※「軽微な工事」とは?
①1件の請負代金が1,500万円未満の工事、又は延べ150㎡未満の木造住宅工事
②建築工事以外の建設工事では、1件の請負代金が500万円未満の工事
建築物は人がより安全に利用できるものでなければなりません。
耐震偽装の問題や地震対策により建設業許可を管轄する国土交通省及び各都道府県庁は、ここ数年、元請業者を「二次下請の無許可業者に500万円以上の工事を施工させていた」を理由に、下請に対する指導義務違反として頻繁に行政指導しています。また、国を挙げて、下請保護の観点から「下請代金アンケート調査」を実施し、問題がある業者に対して立入調査等を行っています。このことは、行政が「コンプライアンス」の観点から、元請業者に下請業者の指導義務を求めています。このような背景があり、元請業者は建設業許可を取得していない下請業者、孫請業者に許可の取得を強く促しているのです。
建設業許可は販路拡大だけではなく、社会的信頼を得ることのできる重要なものなのです。
それでは、許可(一般建設業・知事許可)を取得するための要件を下記に記しますのでご参考ください。
建設業許可の要件①(経営業務の管理責任者)
◯経営業務管理責任者(経営面のプロ)
→許可を得ようとする建設業に関して、建設工事の施工に必要な資金の調達、技術者の配置、契約締結等の経営業務を管理すあある責任者のことで、主たる営業所には1名を「常勤」で置かなければなりません。
法人→役員(監査役を除く)のうち1名 個人→本人又は登記した支配人のうち1名
※「常勤」とは?
休日その他勤務を要しない日を除いて、一定の計画のもとに毎日所定の時間、その職務に従事している者
◯経営業務管理責任者の要件
イ 許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務管理責任者の経験がある。
ロ イと同等以上の能力を有すると認められた者。
(1)許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、6年以上経営業務管理責任者の経験がある者
(2)許可を受けようとする建設業に関し、経営業務管理責任者に準ずる地位(使用者が法人の場合は役員に次ぐ職制上あああああの地位、個人の場合は当該個人に次ぐ職制上の地位)にあって次のいずれかの経験を有する者
①経営業の執行に関し、取締役会の決議を得て取締役会又は代表取締役から権限移譲を受け、かつ、その権限に基あああああああづき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
②6年以上経営業務を補佐した経験
留意点
ア.他社の代表取締役や個人事業主の代表等は常勤性の観点からなれません。
イ.建設業の他社の技術者にはなれません。
ウ.国会議員及び地方公共団体の議員は常勤性の観点からなれません。
◯常勤性の確認資料(a〜iいずれか)←(常勤はこちらで証明します。)
<法人の役員の常勤性>
a 健康保険被保険者証(国民健康保険とは異なる)
b 年金事務所発行の被保険者記録照会回答票
c 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(雇用から1年以内のみの確認資料)
d 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
e 国民健康保険被保険者証、法人税の確定申告書の表紙及び「役員報酬手当等及び人件費の内訳書」(税務署受付印ああああああり)
f 国民健康保険被保険者証、住民税特別徴収額の通知書(特別徴収義務者用、申請時直前のもの)
g 国民健康保険被保険者証、市町村発行の所得証明書(申請時直前のもの)及びそれに対応する源泉徴収票
h 国民健康保険被保険者証、労働者災害補償保険特別加入申請(中小事業者等)(加入初年度のみの確認資料)
<個人事業主の常勤性>
i 国民健康保険被保険者証、所得税の確定申告書の表紙(税務署の受付印あり)
※役員報酬額が年間200万未満の場合は、市町村が発行する「所得証明書」又は「市民税決定額証明書」と、本人によるあああ現況の申立書(役員報酬が低額である理由及び生計の維持方法が別にあり常勤(専任)に相違ない旨の説明等)が追加であああ必要。
※他社の代表取締役等は、常勤性の観点からなれません。(他社に複数の代表取締役がいて、その者が他社で非常勤であるあああことが確認できる場合を除く)
※後期高齢者医療保険証は、国民健康保険被保険者証と同様の扱いとする。
◯経営経験の確認資料 ←(経験はこちらで証明します。)
<法人の役員経験>(a・bの両方を提出)
a 登記事項証明書(証明しようとする期間について、役員であったことが確認できるもの。)
b 証明しようとする期間に建設業を営んでいたことが確認できるものとして、以下の①〜③のいずれか
(但し、①・②の注文書、又は請書、見積書、請求書等は工事内容がわかるものに限る)
①代表者印又は契約締結権限者の印がある契約書又は注文書を1年につき1件
②代表者印又は契約締結権限者の印がない契約書、注文書又は請書、見積書、請求書を1年につき1件
+
その工事代金の入金が確認できるもの(預金通帳の写し)又は発注者の代表印を押した発注証明書
※発注証明書の利用は、銀行の取引明細等その他の手段で証明できない場合に限る。
③証明しようとする業種の許可を有していた期間(建設業を営んでいたことが確認できる期間に限る)は、当該期間全あああああてに係る許可通知書の写し
※証明期間の途中に許可の更新がある場合は、更新前後2枚の許可通知書が必要
<個人事業主の経験>(a・bの両方を提出)
a 証明しようとする期間に係る以下の①、②のいずれか
①所得税の確定申告書の表紙(税務署の受付印があるもの)
②市町村発行の所得証明書
b 法人の役員としての経営経験の確認資料bと同じ
<令3条使用人の経験>
証明しようとする期間に係る建設業許可申請書又は変更届出書(土木事務所の受付印があるもので、就任日、退任日のああああ確認できるもの)
建設業許可の要件②(専任技術者)
◯専任技術者(技術面でのプロ)
→営業所に常勤して、もっぱら請負契約の適切な締結やその履行の確保のための業務に従事することを要する者
◯専任技術者の要件
次のいずれかに該当することを証明する。
・学歴(所定学科)+実務経験を有する者(高卒5年、大卒3年)
※許可を受けようとする建設業での実務経験
・実務経験を有する者(許可を受けようとする建設業経験が10年以上)
・資格を有する者
留意点
ア.他社の代表取締役は専任性の観点からなれません(但し、「他社」に置いて複数の代表取締役が存在し、申請会社であああああの常勤性に問題がない場合を除く)。
イ.「専技」は建設業の他社の技術者にはなれません。
ウ.国会議員及び地方公共団体の議員は常勤性の観点からなれません。
エ.「経管」と「専技」は、同一営業所内では、両者を1人で兼ねることができます。
◯専任技術者としての資格を有することを証明する資料 ← (資格はこちらで証明します。)
a 所定学科卒業で実務経験を有する場合
・卒業証明書
・実務経験証明書及びその確認資料
b 実務経験(10年以上)を有する場合
・実務経験証明書及びその確認資料
c 国家資格等又は大臣特別認定書を有する場合
・資格証明書の写し、大臣特別認定書等の写し
※実務経験証明書は在籍していた会社(又は個人事業主)に発行してもらう
◯実務経験証明書の確認資料(経営業務管理責任者の経営経験の確認資料、法人の役員経験bと同じ)←(経験証明)
証明しようとする期間に建設業を営んでいたことが確認できるものとして、以下の①〜③のいずれか(但し、①・②の注文書、又は請書、見積書、請求書等は工事内容がわかるものに限る)
①代表者印又は契約締結権限者の印がある契約書又は注文書を1年につき1件
②代表者印又は契約締結権限者の印がない契約書、注文書又は請書、見積書、請求書を1年につき1件
+
その工事代金の入金が確認できるもの(預金通帳の写し等)又は発注者の代表印を押した発注証明書 ※発注証明書のああああ利用は、銀行の取引明細等その他の手段で証明できない場合に限る。
③証明しようとする業種の許可を有していた期間(建設業を営んでいたことが確認できる期間に限る)は、当該期間全てああああに係る許可通知書の写し
※証明期間の途中に許可の更新がある場合は、更新前後2枚の許可通知書が必要
◯専任性の確認資料 ← (専任性はこちらで証明します。)
発行後3ヶ月以内の住民票 + 経営業務管理責任者の常勤性の確認資料と同じもの
建設業許可の要件③(施設)
建設業の営業を行う事務所を有することが必要です。
営業所とは、本店、支店、又は常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指します。
一般的に、外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の業務を行うことができる状況にある場所のことです。
なお、経営業務管理責任者、専任技術者が常勤していなければなりません。
施設要件のポイントは下記です。
<ポイント>
(1)建設業の営業所・・・外観から建設業の事務所と判別できるか「看板、標識」
(2)ポスト
(3)「契約の締結」ができるスペースがあるか
(4)事務所の備品→「電話機」「ファックス機」「事務机」「パソコン」「書類庫」等
(5)独立性の証明←事務所を他の法人などと共有している場合
建設業許可の要件④(財産)
財産的基礎、金銭的信用を有することが必要です。
(1)直前の決算において、自己資本額(純資産額。資産額から負債額を差し引いた額)が500万円以上であること
(2)申請の直近1ヶ月以内の金融機関の預金残高証明書で、500万円以上の資金調達能力を証明できること