増加する外国人雇用
日本の中小企業において、外国人の雇用や中途採用が増えてきております。厚生労働省の発表では平成29年10月末では約128万人で前年比18%の増加、雇用事業所数は約20万ヵ所で前年比13%の増加となっております。こちらの数字から分かるように近年急速に日本では外国人の採用・雇用が増えているのです。
労働者が不足している日本において、また海外展開を狙いとしている企業にとって、外国人を雇用したほうがビジネスがスムーズとなるだけでなく、高度な技術や知識を保有しているといったメリットがあり、国内企業で外国人採用が積極的に進んでいます。外国人は今や「単なる労働力」から「企業のキーパーソン」となっているのです。
外国人を雇用するには
日本で外国人を雇用するには、雇用する外国人に就労可能なビザの取得が必要不可欠となります。
まず、採用したい外国人の在留資格の確認を行う必要があり、29の種類に分けられている在留資格のうち20種類が就労可能な在留資格として定められていますが、これら外国人雇用の条件を確認し、経営者が就労ビザの取得、申請、変更、更新などの手続きを行わなければなりません。在留資格に定められている活動以外の外国人を雇用した場合、経営者ももちろん罰則に処されます。非常に専門的な知識が必要となりますね。
就労ビザ取得が必要な5つのタイミング
ではどのようなタイミングで就労ビザ取得が必要なのでしょうか。大まかに分けると以下のパターンがあります。
1.海外に住む外国人を新しく雇用したいとき
2.既に就労ビザを持っている外国人を雇用したいとき
3.日本の大学を卒業する外国人を新卒採用したいとき
4.外国人アルバイトを雇用したいとき
5.就労ビザを更新したいとき
ひとつずつ詳細に見ていきましょう。
1.海外に住む外国人を新しく雇用したいとき
就労ビザを持っていない外国人を雇用したい場合は、就労ビザの取得が必要です。その手続きは非常に煩雑であり、細かなミスで再提出が必要になったりと手間が掛かります。さらに、書き方にもコツがあるので内容によっては申請が通らない場合もあります。そうなると既に雇用することを前提で決まっていた人事計画から見直す必要も出てきてしまいます。また、知識のないまま記載して、実際の業務範囲とは異なる内容で申請してしまった場合、後々それが原因で「不法就労」扱いとなり企業側が罪に問われる場合があります。
どの在留資格があなたの企業で適正なのか、書類を作成できるのか、そこまで時間を作れるのか、難しいですよね・・・。
2.既に就労ビザを持っている外国人を雇用したいとき
既に日本国内で働いている外国人が転職などの形で自社に入社する場合、前職で就労ビザを持っているから何もしなくてもいいというケースばかりではありません。就労ビザには複数の種類があり、それぞれどのような業務範囲であるのかが細かく決められています。例えばシステムエンジニアとして雇用したいと考えている外国人が持つ就労ビザの在留資格が海外本社の日本支社に勤めていた「企業内転筋」の場合、新しい会社では「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得しなければならないケースもあり、変更申請が必要です。また、その在留資格は前職での業務内容に関して許可されたものであり、あなたの企業に適した在留資格なのかは入国管理局は把握していませんので、更新の際に企業審査など更なる複雑化が予想されます。就労資格証明書の発行など、非常に区別がつきにくいですよね・・・。
3.日本の大学を卒業した外国人を新卒採用したいとき
日本の大学に在学している外国人は留学ビザを保有しています。この場合、留学ビザは日本で就労することが認められていない在留資格になりますので、就労ビザに切り替えるための「在留資格変更許可申請」の申請手続きが必要です。
入国管理局への申請は複数ありますし、電話も繋がりにくく解決が難しく、非常に複雑ですよね・・・。
4.外国人アルバイトを雇用したいとき
留学や研修など、就労可能な在留資格でないビザを持っている外国人はそのままではアルバイトを含む就労をすることができませんが、入国管理局で資格外活動許可を受けることで留学生や家族滞在ビザで日本に来ている主婦の方々も雇用することができます。
何も知らずにアルバイトとして、外国人を雇用していませんか?
5.就労ビザを更新したいとき
就労ビザはその在留資格によって、申請が許可されてからの「最大在留期間」が決まっています。この期間が満了になった後も日本に在留し就労したい場合は「在留期間更新許可申請」を提出して就労ビザを更新することで引き続き在留することができます。申請しないまま就労し続けると「不法就労」と皆さてしまいますので、注意が必要です。
不法滞在している外国人従業員はあなたの企業にはいませんか?